【事例-70】「ポーランド症候群の初診日が35年以上前で、病院にカルテが残っていない」と、ご相談いただいたケース

相談時の状況

ご本人様よりお電話でご相談いただき、後日ご家族様と事務所へご来所頂きました。

合指症で生まれ、5歳くらいまでは両親が病院で相談をし、手術等の治療を受けていました。しかし治療法があるわけでもないので、その後は手の痛みがある時等に受診をする程度にとどまっていました。

そのためこの度障害年金の請求を考えた時にはカルテが残っておらず、どのように請求をすればよいのかわからないとの事でご相談を頂きました。

聴き取りをさせて頂くと、

・幼少の頃からブランコの綱を握っていられず落ちて怪我をする事が頻発していた。
・体育の授業の際、両手をつく跳び箱が出来なかった。
・工作や調理等の両手を使うことは出来なかった。
・自転車はブレーキを掛けられるのは片手のみなので、交通事故に巻き込まれる事を繰り返していた。
・指が短くて力が入らない事によりPC入力に支障をきたし、事務職でさえも困難

である事等がわかりました。

受任してから申請までに行ったこと

「初診日が証明できない」とご相談を頂きましたので、最初はこれまでの受診歴から全ての病院にカルテの有無を確認しました。

やはりどの病院にも当時のカルテは残っていませんでしたので、第三者証明にて手続きをする事を考えました。第三者証明とは、客観的な証拠が何もない場合に、二人以上に証言をしてもらうことで初診日証明の代わりとして提出することができる、というものです。

20歳前からの傷病の方の場合、第三者証明には客観的証拠の提出は不要です。しかしご本人様は引越しをされており、当時を知る人とは繋がっていませんでした。そこで医師による第三者証明も考えましたが、当時の主治医もお亡くなりになっていました。

事務所にご来所頂くにあたり、これまでにご両親が福祉の利用手続きをした書類のコピー等をあるだけご持参いただきました。その中の書類に初診日を特定できる書類がありました。

結果

障害基礎年金2級に認められました。

障害年金は、初診日を証明できない限り、支給されることはありません。
原則はカルテに基づいて証明する必要がありますが、カルテが破棄されていても、それに代わるもので

証明できることもあります。

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